センチュリーシリーズの2作目のイースタンワンダーズは広い海を漂い、未知なるスパイスを求めて交易する。
プレイ人数:2~4人(BGGベスト4人)
プレイ時間:30~45分
対象年齢:8歳~
デザイナー: Emerson Matsuuchi
アーティスト:Atha Kanaani, Chris Quilliams
交易によって栄えた国々は更なるスパイスを手に入れるために新たな交易ルートを開拓するため異国の海に乗り出して行った…
そうして発見した島々には貴重なスパイスがあり、その島でしか手に入ることが出来ず、その価値は同じ重さの金にも匹敵していた。
センチュリーシリーズ2作目は大海原
センチュリーシリーズは「スパイストレード」をテーマに各世紀を探求する一連のゲーム。「イースタンワンダーズ」は「スパイスロード」のときのスパイスでは既に冨を得られなくなっていったのだろう、新たなスパイスを求めるために海に出てそうして目的のものを見つけたプレイヤーたちはまたスパイスをめぐって対決する!
このシリーズは単品でも遊べるし、前作のスパイスロードを混ぜて「大航海時代」としても遊ぶことが出来るようになっている。1粒で2度おいしい仕様。
今回は単品で遊べるイースタンワンダーズをレビュー。
色は前作と変わらない(変わらないから混ぜて遊べる)。
ただし、内容は黄色は生姜、赤はチリ、緑は茶、茶色はクローブとなっている。
緑は茶っていや確かに色は合ってるけど、茶色もあるとなんか勘違いしちゃいそうだよね。
そして、航海用のボード。こちらは一枚一枚辺が波打ったような、変な形をしていてこれを組み合わせてボードを作る。
この上をプレイヤーが持つ船コマで進めて交易をして行くのだ。
船を進めて、スパイスを交易しまくって、港で勝利点タイルと交換する。
そして誰かが4枚になったラウンドで終了となる。
スパイスロードのときは5~6枚(人数によって変わる)だったので、4枚だと少ない感じがするね。
スパイスロードよりも複雑になった
スパイスの交易方法はタイル1枚1枚に描かれている。
要するに、皆共通の交易ルートを持っている。交易所を建てることで使用することが出来る。
プレイヤーボードに交易所が置かれているので、これをボードに描いてあるスパイスマークと同じ列にある交易所を左端から置いていく。
同じマークの交易所を建てていくと、数字が現れる。これが勝利点の一つ。
また、縦列の交易所を1列建てきるごとに「ボーナスタイル」が貰える。交易を有利にしてくれるボーナスだ。
最初の船の位置は他の船が無ければとこからでもいい。
そうして、スパイスは皆平等に4点分(黄色を1点、赤を2点、緑を3点、茶色を4点と数える)4種類並べられているので、手番の遅い人から船の位置とスパイスを決めていい。
そこからゲームスタート。ちなみにタイルは交易しかない…のでスパイスをゲットしたいときは「収穫」というアクションで黄色2つ取るしかない。これはボーナスタイルでもない限り黄色しか得られないので緑や茶色は交易することでしか得ることができない。だから、いかに効率の良い場所を見つけてうまく交易をしていくかが一つのポイントとなる。
しかし、そこをぐるぐる回ってるだけだと他の人に後れを取ってしまうのは交易所を建てていると「ボーナスタイル」と「交易所得点」があるから。
ボーナスタイルと交易所
ボーナスタイル、2個は最初のほうで取りたい。たとえば基本船は1マスだけ無料で移動できるのだが(2マス目以降は1マス移動ごとに資源が1つ必要)、そこで2マス無料で移動できるっていうのは機動力がめちゃくちゃ上がるし、また別のボーナスタイルは収穫時に赤(チリ)も獲れる、てなると2点から4点行動となる。他にも役立つ効果のあるタイルはあるし、取れば6点と勝利点をブーストしてくれるボーナスもある。
そして、同じスパイスマークの交易所を多く建てるごとに点数が貰える。1件目は無しだが2件目から1-2-2-3と点数が上がっていく(各種類全5件)。横一列をコンプリートすると8点。コツコツと建て続けていると良い点数が貰える。他にも建てるから十数点と勝利点タイル1枚分以上の点数になることも。
かといって、勝利点タイルのほうが、もちろん点数は高い。しかも4枚達成されたらゲームの終了だ。あっちこっちに交易所建ててたら効率よく変換していた人にあっという間に枚数で差をつけられる。交易所ばかり建てている場合ではない。
といった具合に、今回はスパイスを交易するだけではなく、交易所をどのように建てるのか、ボーナス狙いでバランスよく建てるか、同じスパイスの交易所を建てて点数を得るのかということも考えなきゃいけない。
地味だが痛いインタラクション
相手プレイヤーのやることに対して妨害はできないが邪魔することができる。
船コマは他のプレイヤーと同じ場所に停留することができる、が、そのかわり先にいた船コマプレイヤーに資源を1つ(何でも良い)渡さなければならない。
だから前もって移動したいんだろうな、って思う場所に自分の船コマを待機させていると、そこに来てくれて資源をくれる…かもしれないし、1資源渡すだけで交易できなくなって1ターン足踏みさせることが出来る!…かもしれない。
また、交易所は最初にそのタイルに建てるプレイヤーはタダで建てられるが、次のプレイヤーからは既に建っている交易所分の資源を支払わなければならない。
なので、交易所を建てまくることは点数を取ること以外に相手の交易所を建てる邪魔をすることが出来るのだ!
1資源でも地味に痛い。黄色使えばと思うけど、それでも最初タダだった交易所が―――。と思うとめちゃくちゃ高く感じる。
そして私はこの邪魔をするのが好き。
あとから交易所建てるプレイヤーが「タダで建てられる場所ないかなー?」「あれ、ここ既に交易所ある」「ここにも」「ここにも!!」「タダで建てられないジじゃん!!」となって悔しそうにするのが楽しい。ふふふ。私が建てたのだよ。
めくり運を解消した閉鎖タイル
勝利点タイルを港でゲットすると即座に港に補充される。
その勝利点タイルの最初の5枚の中に「閉鎖タイル」というのが紛れている。
そのタイルが出てきたら、以降勝利点タイルが取られた港に「閉鎖タイル」が配置されるので連続で勝利点タイルが取れないようになっている。
これにより動いてタイルを取りに行くしかない。しかし、次のプレイヤーも勝利点タイルを取ってしまうと閉鎖タイルが移動して連続で取られてしまうかもしれないので、そこはどのタイミングで勝利点タイルを取るか、調整するしかない。こういう「何やってんだよー、今じゃないだろ今じゃ!」的なやり取りも楽しい。
オススメまとめ
- ボーナスタイルの取得や交易所建設でも点数になるため勝利点タイルのほかにどうバランスよく取っていくか…と考えることが増えたところ
- 邪魔できるインタラクションが出来たこと。相手のスパイスの量やとりたい勝利点タイルで待ち伏せするのが楽しい
- ラウンドが進むと交易所が乱立するのでめちゃくちゃ写真栄えすること!
交易所を建てるという行動やボーナスタイルを得るという行動でも勝利点を得られることになって手番にやりたいアクションがグッと広がったように感じた。ボーナスを得られることで出来ることの幅が広がるのはとても気持ちが良い。
スパイスロードでもうちょっと刺激が欲しいという方にはこちらがオススメかな。拡大再生産でうまくスパイスがハマると気持ちよく拡大できる。
しかし交易が楽しすぎて拡大することに一生懸命になりがちなので、拡大した後はちゃんとタイルに交換しないと点数にはならないので注意。
センチュリー:イースタンワンダーズ