デザイナー: Alex Cutler
プレイ人数:2~ 4人
プレイ時間:60-90分
対象年齢: 12歳~
デザイナーはTEAM3のAlex Cutler。奥様の名前がNicole(ニコル)で息子(son)の名前がJack(ジャック)。並べるとJack Nicole son(スペルは違うけど) になるからと言う理由で命名するお茶目さん。
メーカーのBreaking Gamesはゲーマー寄りのファミリーゲームを沢山手掛けていて、個人的に簡単でもきちんと遊ばせてくれるゲームをポツポツとだしてくれるので注目している。
今回はほぼ同時期にERA 剣と信仰の時代(ロールスルージエイジスリメイク)、ビッグシティ 20周年記念版(ビッグシティの超豪華復刻)と、建物建設をテーマとした元作品がしっかりと評価されているゲームがリリースされ、もったいなくも埋もれてしまった感が否めないこのゲームをレビュー。
写真映えのする終了後の盤面
同時期発売のビッグシティや建物の種類ごとにしっかりと別フィギュアのあるERA、どちらもコンポーネントが素晴らしく、結果的に没個性的にみられがちだがこのゲームもコンポーネントがすごい。
ゲーム中の建設進行状態もわくわくするが、終了時のスマホを使ったドローン空撮のような絵面はとても綺麗。
僕はこのゲームを結構沢山の人に一緒に遊んでもらった結果、予想外にも女子受けがものすごくいい事がわかった。
男性はゲーム終了後にゲーム性のおまけのようにコンポーネントの良さを語る人ばかりの反面、女子は夢中になって色々な角度で撮影を楽しんでいた。
僕にはいまだにそこまで受けているのがピンとこないが、決して少なくない人数の女性の方々が楽しんでいたので女子受けゲーとしてすごいポテンシャルがある様子。
ほどよいインタラクションと見通しやすい得点経路
得点は建物を完成させた時点で周辺4か所にあるタイルの補正と、市から提示される契約カード、終了時に全プレイヤーで競うゴールカードの3種類ととても考えやすくなっている。
契約は警察署の隣に住居を建てたらx点、のような達成するまで非公開カードで建物を完成するごとに1枚もらえる。 ここに若干の引き運があり建設ゲームにありがちな場所の取り合い殴り合いのピリピリ感が緩和されている。
ゴールカードは開始時にランダム3枚選ばれる競争条件、最も高い建物を建てる、最も沢山契約を達成するなどなど。 こちらも無視できない位に大きな得点源となる。
そしてメインの建設。
基本的には手持ちの資材(シンプルに1種類だけ!)を使って建てるか、資材を調達するか。このどちらかを1手番に3度行える。
建設の制限がめちゃくちゃ効いていて、完成させていない建設中のビルは同時に3件しかもてない。これが好条件の建設予定地が盤面に登場しても完成させないと新たに置けない! そのために低得点のまま完成させるか、次の手番まで予定地が残ってるのか?となかなかのジレンマをつきつけられる。
さらにアクションが残っていても1つの建設予定地には1手番に1フロアしか追加できない。この事で建設中の建物にがつがつとマイナス効果を付けられる。
特に隣接した空き地は悪環境という事で点数にマイナス効果がつく。 自分が建設中の建物を3つもってる状態で空き地をつくられると、「誰か大人のひと~ ここに空き地あるからなんか建ててください!」なんて感じの阿鼻叫喚に。そのさらに隣になけなしのプラス補正付きタイルを配置して埋めてもらうなんて事も。
このあたりの陰湿でもなく直接殴るという程でもないインタラクションでワイワイと遊べる。
片付けは負けゴジラどもに
ルールブックに勝者は負け犬ならぬ負けゴジラどもが街を壊すさまを眺めましょうと言うような事が書いてある。 プロフィールにあえて口汚いジョークやダジャレが好きと書いているCutlerらしさがこんなところにも効いてるのが素敵。
内箱で綺麗な収納
その片付けだが収納がとてもよくできていて綺麗にぴったり、カードスリーブも考慮されてる上に持ち運んでも散らばらない配慮までなされている。
オープンな場所にもっていけばいくほど、こういった片付けやすい点を大事にしているのはありがたいと思う。 持ち歩かなくてもお子様と遊ぶことの多い方にはわかっていただけるんじゃないでしょうか。
悪いところは?
正直あまり欠点らしい欠点は無いのだけど、いろんな人数でやった結果2人でのプレイはあまり向いていない。終了条件が全タイル置き切りなので4人の時の倍の手番があることになり展開が間延びする。
あとは契約カードの引き運が少し強めで、情報公開ゲームが多い建設ゲームの中では運に依存する部分が大きめなので好みではない人もいるかもしれない。
まとめ
コンポーネント激優良、僕みたいなおじさんには理解できないレベルの女子受け。
シンプルなルールで4人1時間前後でしっかり考えどころのあるファミリーゲーム。
同時期発売のビックタイトルが強敵であったが埋もれさせるにはもったいない良いゲームで、ちゃんと考えどころのあるファミリーゲームを探してる方や女子に遊んでもらうことの多い方、単純にガチガチのゲーマーズゲームよりすこし緩いところのあるゲームの好きな方は是非遊んでみてほしい。
できるだけ感覚そのままより言語化、体系化して伝えるレビューを心がけてます。エクスパンシティ / EXPANCITY
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