ウィーン / Vienna

レビューaya


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3
On 2020年9月17日
Last modified:2020年9月16日

Summary:

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初めてウィーンにやってきたプレイヤーは大通りを馬車で駆け抜け、お金と名誉をゲットし、上流階級の一人として名を馳せるために奔走する。

デザイナーJohannes Schmidauer-König
アーティストMichael Menzel
プレイ人数3~5人
プレイ時間30分
対象年齢10歳以上

英語読みだと「Vienna(ヴィエナ)」ドイツ語だと「Wien(ウィーン)」。

大通りを馬車で駆け抜けコネを得る

大通りは観覧車から始まりグロリエッテに向かって続いていて、アクションマスが並んでいる。そこにダイスを1~2個ずつ置いていく。人が置いた場所には置けないし、一度ダイスを置いたら道の後ろには置けなくなってしまうので誰がどこに置きたいか?ということを考えつつ、残りのダイスの出目を見て計画的に置いていこう、なダイスプレイスメントゲーム。

お金とコネ(影響力)とで勝利点を得ていき、誰かが25点となると終了フラグが切られる、勝利点レース。お金で素早く上げて一気に駆け上がるのか、それとも地道に影響力を増やして成金を優雅に抜いていくのか。と勝ち方は人によって、そしてその時の気分によってさまざまな方法がとれる。

貴族のコネを手に入れるためにお金をどうにかして工面するが、お金手に入れすぎると他プレイヤーに奪取される…といういやらしいインタラクションが強めな感じがすごく私好みなゲームだ。

ダイスプレイスメントなのでダイスを振ってその出目で出来るアクションが変わる。振るタイミングがとても独特で1ターン目の自分の手番、となるので自分の後に来るプレイヤーの出目が解らない=どのアクションをとるのか読めないという苦しみの中、ダイスを置くことになる。これがめっちゃ悩む。自分のやりたいことをやるのか、それとも相手にアクションを取らせないようにつぶすのか、出目さえ見えてればやらなくていいってわかるものを…。うーん、つらい。先手番の有利は最初にダイス置けるということだけ。

もちろんそのほうが後手番より圧倒的に有利ではあるが。

使えるダイスは5個、人数によっては4個しかなくて、これが、なかなか、今回はこのアクションしたいなって思ったところの出目が出ない。2個までしか組み合わせ出来ないのも効いていて組み合わせても狙った出目数にならないことが多くて能面。
振り直したり出目を変えたりするにはお金が必要、お金ってやっぱり大事なわけなんですよ。

しかしながら、お金はなかなか使う場所が多くて、振り直しに使うのが戸惑われる。

1つは貴族の影響力を得ること。カードを購入しなきゃならなくて、1枚1金+6の目ダイス、とコストが高い。しかも影響力はここでしか手に入らないから出遅れると成り上がり競争に負けてしまうし、他のプレイヤーに差がつけられるとつらいので誰も放置してはいけない、という仕様である。つらい。
影響力は3種類あって1ヵ所集中してあげると他がおろそかになったりとどう上げていくか、こちらも悩みもの。

地道にコツコツ影響力を上げていく

面白いのは勝利点を影響力で得る場合で、比べる対象は両隣の人、というところ。両隣以外の人との影響力差は考えなくていいのは面白いところ。

もう1つはお金を払って勝利点変換。ダイスの出目のコストも高いが、3金払って5点とか、そこを重点的に上げられまくると誰も追いつけなくなるくらいがっつり勝利点があがる。なのでこの方法も強いのよね。

まあ、そんなこんなでお金の使い道がたくさんあって、ダイスの目を変えるのに使うのは躊躇われる。自分のアクションのためにジャンジャンお金を使っていく人と勿体なくて使わない人と…と人の性格がでてくるのも楽しいところ。

アクションマスは影響力とお金だけが得られるものじゃなく「警備員を配置する」というマスにダイスを配置すれば、自分も置けないが誰にも取らせたくないという場所に警備員を配置出来る(警備員がいるマスは誰もダイスを置けなくなる)し、ダイスを1個増やすことでアクションできる回数を増やしたり、愛人を囲って影響力を増やしたり…と能力を増やすマスもある。この特殊能力は他の人に取られるまで残るので、いつまでもあの人に特殊能力を持たせたままではいられないわよ!とマスの奪い合いが発生するのもインタラクションが強くていい。

特殊カードとお金

しかし、特殊能力がすごい使える!強い!…というわけではなく、程々に強い。相手に持たせすぎるとまずいけど、自分も、そんなカードいるかなあ?感があってそのために1個ダイス使うのか?と思うと葛藤する。

また、ダイスは後ろに置けないとは言ったが、1金払うことで後ろのマスにも置ける。お金ここで使いますか?と思うが相手が取りそうなやつは先にとって置きたくなるから、特に後半は無駄じゃなくなってくるんだなぁ。その邪魔し合いが楽しかったりする。いいね。
ちなみに私はあまり戻るのにお金は使いたくない派だ。

特殊能力で他プレイヤーよりも有利な能力を得られる点やマスの取り合いのインタラクションの激しさ、自分のダイスの出目や他プレイヤーの出目が解らない不自由さの中でのアクション選択が実に悩ましく楽しい作品。

メインボードは両面あり夜か昼かで選べる。夜のほうが上級者向けか?と思ったらそんなことなくて一緒。昼でも夜でも好きなほうでプレイできる。

まとめ

  • お金とコネで上流階級に成り上がれ!
  • 一方通行のダイスプレイスメント
  • 勝利点は大漁のお金かコネを駆使して手に入れろ
  • お金を溜め込んでるやつがいたら奪うのだ!
  • コネ争いは両隣と。何のコネで勝てるのか?把握しよう、妨害しよう
  • 強い特殊カードで他プレイヤーよりも有利に
  • お金の奪い合いと特殊カードの奪い合いとインタラクションが激しいぞ


一方通行のダイスプレイスメントは小さい数字から置いていきたいが、置いていると置きたかった場所に置かれてしまうという…置くのか、置かないのかと悩ましいのが面白い。

最初はお金を得るのに忙しくなかなか点数が伸びず「25点まで遠いなあ」と思うが、後半は5点ゲット、6点ゲットと点数をがっつり得ていくし、お金よりも点数という行動にで始めるので収束性が良い。

お金の奪い合いと特殊カードの奪い合いが発生するので若干インタラクションがある、ということと影響力での勝利点が両隣というのが少しややこしいかな?と思うので初心者…というよりはちょっと慣れてきた人にオススメな作品。

ウィーン / Vienna

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