概要
——17世紀末のロンドンでは、喫茶店〈コーヒーハウス〉は情報交換の場として発展していた。プレイヤーは新聞発行人となりコーヒーハウスで情報を集め、世間の関心に応えた新聞を発行して地位を確立していこう!
ゲームデザイン | 須賀正樹 |
グラフィックデザイン | 柴田沙央里 |
プレイ人数 | 3~4人 |
プレイ時間 | 45~60分 |
対象年齢 | 12歳以上 |
喫茶店、情報交換、新聞発行人……フレーバーの雰囲気だけでもお洒落でやってみたくなる。ファンタジー世界の酒場の情報交換みたいなことができるゲームなのかな? と思ってわくわくしながらプレイしてみます。
どんなゲーム?
このゲームには5つの喫茶店が存在します。これを店カード(コーヒーハウス)といい、ここに「客カード」を配置して「満席」になる前に入店すると、ニュースが獲得できます。
ニュースには「政治」「経済」「科学」「文学」「流行」の5分野があります。この5分野の専門知識を得たり、世間の関心を操作していくと、新聞の価値を上げることができます。
上手く利用して効率よく勝利点を獲得していきましょう!
ルール
ゲームは全7ラウンドで構成され、各ラウンドではフェイズ1~4を順番に行っていきます。
フェイズ1 1日の始まり
「ラウンドカード」を山札から1枚公開し、効果を発動します。
このラウンドカード(~日和カード)ですが、普段喫茶店やカフェで勉強とか読書とかするのが好きな人間としては、これ見ただけでとてもテンションが上がります。めちゃくちゃ好き。
スタートプレイヤーの右側のプレイヤーから反時計回りで「プレイヤー駒」を任意の「店カード」の上に配置します。(他プレイヤーの駒がすでに配置されている店カードに後から配置するのもOK)
フェイズ2 ニュースの収集
スタートプレイヤーから時計回りで手番を行っていきます。
フェイズ2は、以下のどちらかの条件を満たすと終了します。
- 店がすべて満席になって、「客カード」が配置できない時
- 全プレイヤーが「入店」「帰宅」を実行した時
手番が来たら、客カードの山札から「客カード」を1枚公開し、客カードに記載されている分野のいずれかに該当する「店カード」の下に配置します。このとき、パスすることはできません。また客カードの山札が尽きた場合は捨て札をシャッフルして山札にして下さい。
客カード配置後、以下の4つのアクションから1つを選んで実行します。
① 様子見
「客カード」をもう1枚「店カード」に配置します。
② 移動
「自分のプレイヤー駒」を任意の店カードの上に再配置します。
③ 入店
「自分のプレイヤー駒」が配置されている店カードが「満席」ではない時に入店できます。「店カード」を裏返して「満席」にした後、プレイヤー駒を入店スペースに配置してください。
その後、以下の処理を行います。
- ニュースの獲得
「客カード」に記載されているニュースをカードごとに1分野ずつ選び、該当するニュースを獲得します。複数の分野が記載されているカードはいずれか1分野のニュースのみ獲得可能で、店カードに記載されてない分野のニュース獲得もOKです。 - 入店ボーナス
「店カード」に記載されている入店ボーナスの効果を発動します。
ニュースを追加で獲得できたり、専門知識を得たりできるので、自分の目的に合わせて取材(入店)するお店を選んでいきましょう! - 「世間の関心トラック」の操作
最初に入店したプレイヤーは2つの分野、2番目に入店したプレイヤーは1つの分野の「世間の関心トラック」を進めます。「世間の関心マーカー」が最上段に配置された場合は、最下段に再配置してください。
「入店」を実行したプレイヤーはその時点でフェイズ2終了となります。
④ 帰宅
「自分のプレイヤー駒」を手元に戻し、任意のニュース1本を獲得できます。
「帰宅」を実行したプレイヤーもその時点でフェイズ2終了となります。
ここからが大事なポイントで、「店カード」に4枚目の「客カード」が配置されると、「満席」になってしまいます。満席になるとプレイヤーは「入店」できなくなってしまいます。
ニュース欲しくて粘ったけど全店舗満席になってしまった……ということもよくある。
早く入店すると客が少ないので、獲得できるニュースは少なくなることが多いですが、その分自分で情報の需要をコントロールできるので、どのタイミングで入店するかを定めるのが重要です!
フェイズ3 新聞の発行
客カードの右上に書かれている「文筆マーク」の合計数が多いプレイヤーから手番を行います。同数の場合はスタートプレイヤーから時計回りで行い、「入店」「帰宅」を実行してないプレイヤーも手番を行います。
手番のプレイヤーは、ニュースを消費して新聞「一般紙」と「専門紙」を発行することができます。
一般紙の発行
手番中に1回のみ、5分野のニュースを1本ずつ消費して勝利点を2点獲得できます。まんべんなくニュースを集めていれば発行できます。
「世間の関心トラック」の分野を2つ選んで、1つずつ進めます。
専門紙の発行
手番中に1回のみ、いずれかの分野の専門紙を発行することができます。
発行したい分野を選び、その分野の「世間の関心トラック」の「世間の関心マーカー」の1つ上に記載された本数のニュースを消費し、「世間の関心トラック」を1つ進めます。
専門紙……ということで必要なニュースの分野は1つでいいのですが、世間の関心が高いほど大量のニュースが必要です。
その後「世間の関心マーカー」の左側に記載された勝利点に、「専門知識トラック」の追加勝利点を加えた勝利点を獲得します。
世間の関心マーカーがトラックの最上段に配置された時は、勝利点獲得後に最下段に再配置します。
1つの分野が爆発的に注目された後は、購読者の関心は満たされて、一気に落ち着いていきます。需要の一番高いタイミングでその分野の専門誌を発行できれば、名声を独り占めできるのです。
勝利点獲得後は、発行した分野の「専門知識トラック」を追加で1つ進めます。(最大4まで)
全プレイヤーが手番を1回ずつ行ったら、フェイズ3を終了します。
フェイズ4 1日の終わり
「店カード」の下に配置されている「客カード」をすべて捨て札にして、プレイヤー駒を手元に戻し、満席の店カードを裏返して元に戻します。
スタートプレイヤーマーカーを左隣のプレイヤーに渡してラウンド終了となります。
終了条件
7ラウンド終了した時点で最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーの勝利となります。
勝利点が同数の場合は、ニュースの所持数が多いプレイヤーが勝利となります。
感想
女子受け◎、中級者向け
かわいくておしゃれなデザインとフレーバー雰囲気が女子受け良し。特にカフェ・喫茶店好きの女子には最高に刺さる。普段ボドゲをあまりやらない人でも買いたくなると思わせる力があるゲーム。
難易度的には、ボドゲを全くやったことない女子プレイヤーがいきなりプレイするのはきついけど、ある程度慣れてきて少し難しいものにチャレンジしてみたくなった段階でプレイするとちょうどいい難易度で楽しめるゲームだと感じました。
喫茶店、座席争奪戦
喫茶店に入るまでが激しい戦いで入店するタイミングがとても大事なチキンレース。
自分はたくさんニュースゲットしたいけど、他プレイヤーにはあまりたくさんニュースを取らないでほしい。それどころか「お店に入らせなければニュース奪われないのでは?」という考えから、自分が入りたいお店以外が全力で満席に追いやられていく。ニュースの数欲張ったり邪魔することに夢中になってると気づいたら満席になってます。
インタラクション要素は結構あります。
お客さんが3人いる店舗に入店できれば超ラッキー。安全を取るなら2人きた時点で入店してしまったほうがいい。
ニュースがないと新聞は作れないので、本当に入店するタイミングが大事です(2回目)。
需要と供給のバランスを見極めろ!
必要とされている情報には需要と供給バランスがあり、この需要が高いタイミングで良い情報を載せた新聞が発行できると大量得点できます。
それに加えて勉強も大事。序盤に専門知識を上げてるかどうかが結構勝敗に影響してきます。中途半端にあげてても得点になりにくいし、計画狂って序盤上げてた知識を生かせないパターンもある。
でも発行タイミングと同じで、序盤特化してあげてた知識と分野の需要の高いタイミングがハマった時、この瞬間でも得意の新聞を発行できると大量得点できます。
これができたときは、とても爽快感あって楽しい。
おすすめポイント
- 喫茶店好きにとても刺さるフレーバーで女子受け◎
- 難易度的には初心者がいきなりプレイするには難しめ。中級者向けで、少し慣れてきたタイミングでプレイするのがいいと思う。
- 喫茶店の入店競争など、インタラクション結構あり。
- 序盤の知識上げと、需要と供給の見極めがハマったタイミングが楽しい。
コーヒーハウス / Coffee House