Vast The Mysterious Manor / バスト

レビューaya


Reviewed by:
Rating:
5
On 2020年10月1日
Last modified:2020年9月28日

Summary:

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日本では「Root」が有名であろう、Leder Gamesより勝利条件が各々違う、ルールも違う一風変わったダンジョン探索型ファンタジーボードゲーム。
前作は洞窟だったが第2弾の今回は神秘的な館で大暴れ!

デザイナーPatrick Leder
アーティストKyle Ferrin
プレイ人数1~5人(BGG 4人)
プレイ時間60~120分
対象年齢13歳~

神の啓示によりクモ絶対ぶち殺すマンの「パラディン」、パラディンを死ね死ね団の「スケルトン」、恐怖を集め閉じ込められた館から抜け出したい「クモ」儀式を完遂させたい「館」なんか怪しげな実験をしてるウォーロック(霊体)各々が各々の目的のために行動するんだけど、その行動が他の人を上手く妨害できちゃうのが面白い。

みんな違うから楽しい

ボードがあって、各々コンポーネントが配られるんだけどこれがすっごいわくわくする。

パラディンには経験値取得のダイヤル、スケルトンは装備カードと5人の個性豊かなスケルトン団、3形態あり場面にあわせて変化できるフィギュアのクモ、卵とかもある、館はキューブでパズルして、壁とかポルダーガイスト、宝箱を配置してくれる、ポルターガイストと壁が可愛い。ウォーロックは特殊能力カードに支配用のトークン。

と一部しか抜粋してないけど、キャラによって所持するコンポーネントが違うからこれが私のか~面白そう~とテンション上がる。

しかし、違うのはコンポーネントだけではない。ルールも各々違うものだから全部把握するのはすっごく難しい。が、自分の天敵のキャラのスキルは覚えておこう!忘れてるとすぐボコボコにされちゃうぞ!()

インストは順調にいっても1時間位かかり、初めてのプレイだと最初の1ラウンドはえーっとこのキャラどう動かせば良いんだっけ?って確認しながらになるから更に時間がかかる。5人プレイで5時間くらいかかった。おー長い。遊ぶなら十分に時間を取ろう。

ルールの把握とプレイ時間とハードルは高めだが、それを超えると他のゲームでは味わえないような楽しい時間が過ごせる。

今回はクモを担当したのでクモの動きを中心にレビューさせてもらう。

館に囚われたクモ

パラディンが近くにいるー逃げろ----ーと分裂したちょっとキモい

館に恐怖(terror)と呼ばれるものをゲットすると能力が上がり、最終的に館から脱出するのが目標なクモ。
恐怖を12個集めなきゃいけないのに自分のターンで得られるのか1個~2個(+クモの能力で1~3個、集めるのむずい)とあれ?これ集めるのラウンドめっちゃ必要やん。しかも脱出までとなると…?いけんのかこれ?って思う。とりあえずやってみるか!と始まる。

クモは最初に形態を選ぶ。3形態あって強そうなの(ジャイアントスパイダー)、素早そうなの(スパイダーリング)母っぽいの(ソーサラー)とある。それぞれもちろんなすべきことが違う。ジャイアントスパイダーはカードの効果を2回発動できるし、隣接にその効果を適応出来る、そして卵も産めるとメインこれで動くだろって感じ。スパイダーリングはちょこまか個別に逃げられ、壁でも人でもスルーできる、なので逃げ足がめっちゃ早いし壁もすり抜ける。他の形態よりはパラディンから離れることができる。ソーサラーは卵を世話して恐怖を得るための(そして卵の強度を上げるための)血を生産できる。

そのときの状況に合わせていろんな形態に変化して戦うのがクモ。
形態を選び、恐怖を得て、カードを使って行動を起こす。ただそれだけ。なのだけれど、クモには天敵がいたのだ…。

パラディンは黄色。めっちゃ光ってるイメージ

その天敵とはパラディン。神の啓示により館にクモを殺しにきた敬虔なる信徒である。
敵を倒すことで経験値を得て強くなっていくやっかいなやつであんまり行動出来ないからこっちまでこないでしょ?って高をくくっているとあっという間に追いついてくる。ヒエッ。

しかも、パラディンのターンでクモを殴れないと怒りが貯まるという怖いやつなのだ!怒るなよ…。その怒りも力に変えて壁とかぶち破ってくるの…、マジで怖い!!!!

こっちが恐怖だよ!って思いながらなんとか逃げ回って手の届かない所に。その方法としてクモが取れる行動は2種類、クモの巣や卵をばらまくか、スケルトン骨壁を使う。

クモの巣に引っかかるとダッシュしてこようとしても出来ないので移動という行動の手数を増やせる。
スケルトンはパラディン殺すマンなのでそっちに誘導すると殴ってくれる!

スケルトンと協力して、パラディンを止められるのか、そこがクモのマルチとしての楽しみの一つ。スケルトンにパラディンをほどほどに殴らせる(勝っちゃうからほどほどに)
そのバランスが難しい。

スケルトンわらわら

クモの行動は手札のカード枚数がアクション数。恐怖を得ることで段々と硬くなり、手札の枚数が増えていく。
アクションは「牙(攻撃時に血が貰える)「クモの巣」「瞳」と3種類。牙でブラッドを稼ぐと次のラウンドで恐怖が得られる。クモの巣は相手の行動を制限するのと、撒き散らすことでこれも恐怖が得られる。
最後の「瞳」は部屋の状況がわかるようになる。

館は初めは暗い。一部しか部屋の状況が解らず、道がある方向に部屋タイルが配置されるがその部屋の中に入ってみないことにはどんな部屋なのか?というおは解らない、という仕様。明るいほうが動きやすいキャラ、暗いほうが動きやすいキャラとあって部屋を開いていくことが必ずしも良いというところでないのもこのゲームの面白いところ。クモは明るい所にしか入れないけど明るいとパラディンが突撃してくるから怖い。

手前がウォーロック。猫背が館が操るレイス


クモから見ると「館」と「ウォーロック」は正直どうでもいい。なのでクモをやってるとなんか存在が薄い。
でも、この2人が勝ちそうになってたら止めなきゃいけないけど。

館とウォーロックは宝箱とポルターガイストを発生させるんだけど、このバランスも面白い。館は多分、宝箱発生させて儀式への道筋を開けたいんだろう、ウォーロックは触媒として必要、だから発生させるしかないが、宝箱は皆欲しかったりするから取り合いが激しいし、ポルターガイストは他のキャラに強くなるための餌として狩られちゃうから1周回ってくるうちになくなってることが多い。

だから自分の勝利条件が簡単そうに見えても、あれ?勝てなくなってるぞ?と以外に勝利まで遠いように見えた。クモも12恐怖集めなきゃ~って遠い目だったけど10恐怖まで溜まってたしね。

まとめ

スケルトンの盾を手に入れた!
  • 個性豊かなキャラと各々違う勝利条件で戦う非対称ゲーム
  • 館が舞台、ファンタジーがテーマの作品。
  • キャラクターの絵が可愛い!
  • コンポーネントが違うから自分のキャラは何が渡されるのか?とワクワクする。
  • インスト長め、覚えること多め
  • 殴り殴られ勝利を妨害しあうので結構時間がかかる
  • BGGでは4人ベストだけど5人じゃないとフルキャラクターじゃないのでぜひ5人で!



まだ1回しか遊んでない(2020年9月現在)けど、こうやって他のキャラのルールも合わせてどうやったら勝てるのか、どう動けば良いのか、と考えるの楽しい!今度はこの方法で遊びたい!と何度でもリピートしたい作品。

しかしながらやっぱり5時間は長い。ボードゲーム遊びたい!でこれを出されたらこの1本で終わってしまい「ちょっとボドゲ成分が足りないな…」となってしまうので、遊ぶときは「VASTを遊ぶ」と決めた日に遊んだほうが良いと思う。

トップを妨害しあいながら自分だけの勝利を目指したい!というゲームが好きな人は絶対好き。あとはファンタジーフレーバーが好きな人にもオススメしたい。

言っておかねば!

このゲームは人数によって使えるキャラとストーリーが違う。
1人からでも遊べるし、スケルトンとクモだって戦ったりする。

更に、公式からテーブルトップシミュレーターで遊べるようにVastのModが配られている。
なので、英語でも多分大丈夫!ちょっと試してみたい!という方はテーブルトップシミュレーターで遊んでみると良いだろう。

Vast The Mysterious Manor

5

One Comment on “Vast The Mysterious Manor / バスト”

  1. Pingback: 好きなボードゲーム2020 | 今日も駄目ダイス

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