キングダム 盤上大戦

レビューKei


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4
On 2022年10月29日
Last modified:2022年10月29日

Summary:

デザイナー : 北尾まどか
プレイ人数 : 2人
プレイ時間 : 15~30分
対象年齢 : 8歳~

色々なボードゲームでフレイバーとして使われておりボードゲーマーには馴染の深い”春秋戦国時代”をテーマにしたコミック&アニメ、「キングダム」を元にした2人対戦用ボードゲーム「キングダム 盤上大戦」を紹介する。

どんなゲーム?

主人公の信が大写しになっているパッケージ、原作ファンにはアツい!

将棋をベースに覚えるのが大変な移動のルールをめちゃくちゃ簡素に、かわりにゲームを少しでもやった事がある人には理解しやすい向き(コマの向いている方向)の概念、戦闘力、原作の登場人物らしい特殊能力を組み合わせて子供でも理解しやすいルールで多彩な展開が起こるように工夫された意欲作。
これからアナログゲームに入ろうという人、原作ファンはもちろん、ボードゲーマーも楽しめるように作りこまれている。

もう一歩踏み込んで

デザイナーはどうぶつしょうぎで有名な北尾まどかさん、現役バリバリの女流棋士さんでもある。
どうぶつしょうぎの考案者であり、さらにはペーパークラフトで印刷して遊べるものをご提供下さったりと将棋を入門からわかりやすく、それでいて楽しさは損なわないよう普及に尽力なさっている方でもある。
そんな氏の作ったゲームなのでとても遊びやすく、それでいて考えて遊べるゲームになっている。

入門セットもある変化する戦場

ルールに慣れるためのボード1枚の小さい戦場で遊ぶ入門モード

そんな氏の最初の一歩をわかりやすく、と言う気づかいが見て取れるポイント。
本来はボード2枚を組み合わせた大きな戦場で戦うゲームなのだが、半分だけを使って動きや戦い方、キャラクターの能力を把握する簡単な入門モードがある。
小さな盤面で短いプレイ時間でコマの移動、戦闘力の意味、キャラクターの能力や初期に配置する地形で変化する戦場について覚える事ができる。
このモードのおかげで子供はもちろん、アニメやコミックが好きでもボードゲームはほとんどプレイしないと言う人にもとっつきやすくなっている。

さらにYouTubeではルール紹介動画が用意されていたりと、とにかく広く遊んでほしい!と言う意気込みを感じる。

フルゲームの見るべきポイント

ボード2枚と2人目のキャラクター副将も使うフルゲーム

そして本番とも言えるボードを2枚使って戦場を作るフルゲーム。と、言っても入門モードから追加で覚えなくてはならないルールはほとんどない。
戦場のボードをお互い1枚づつ使い2倍の広さの戦場になること。
一人を大将、もう一人を副将としてキャラクターを2キャラ使える事。

そして何より大きいのはルールの追加はほとんどなく、開始時に二人の間についたてを立てて目隠しをし、その裏で陣を張る布陣があること。
この初期配置次第で戦い方やキャラクターの能力が活きるか死ぬかがガラっと変わるので、お互いわからないようにコマを配置するだけ、という単純な事ながら展開の幅が大きく広がっている。

開始前についたての裏で地形や陣を張る、この布陣の駆け引き次第で全く違う展開になる

スタック、方向、地形、戦闘力とウォーゲームの基礎的概念が組み込まれているので将棋としてだけでなく、ウォーゲームの超入門としても良いかと思う。
大将、副将も配られた中から選択するのだが、これが見えてしまうと陣の張り方に影響がでるので写真のように開始までは裏向きにしておいても良いかと思う。

原作ファンの目線から

僕はアニメは数話程度、コミックは単行本発売分の最新近くまでは読んでいる位の軽度な原作ファン。
その目線からキャラクターの能力を見ると、ふむふむ、と納得が行って原作を再現するような戦い方でニヤニヤしたり。
しかしいざ戦場に出してみると、王騎(戦闘力最強クラスの勇猛な武将)が羌瘣(女性武将)からきゃあきゃあ言いながら逃げ回るへんな展開になったりして原作を知ってると爆笑できたりもする。
そんな原作ファンならではの楽しみかたもできるので使えるファンアイテムとしてもとても実用的!

原作ファンも納得のキャラクター設定や計略が使える特殊カード

そんなわけで将棋とかウォーゲームとか興味あったんだけどめんどくさそう・・・って人やキングダムファンのみんなは買おう!

キングダム 盤上大戦

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