アルルの丘

レビューKei

Review of: アルルの丘
Product by:
Kei

Reviewed by:
Rating:
4
On 2018年11月6日
Last modified:2020年7月3日

Summary:

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2014年 60~120分 1~2人

牛がかわいい。

ウヴェ・ローゼンベルクの農業系ワーカープレイスメント(現時点での)最終到達点とも言われてる本作。
超有名作アグリコラや、その名作をもってしても趣向の合わなかった人へ向けたカヴェルナを経て、ウヴェ・ローゼンベルクの生まれ故郷を舞台に生産系ワーカープレイスメントの集大成としてデザインされた。
配置できる建物には氏がが幼少期を過ごした彼の祖父母の店が登場するなど、相当な思い入れを感じられる。
連綿と連なる氏の収穫系列の作品が好きな人なら体験は必須。
だって牛もかわいいし。

システムとしては共通のワーカープレイスメント用ボードにに個人ボードと言う我が家のように落ち着いて見ることのできる構成・・・なんだけどなんじゃこりゃ!

のちのオーディンの祝祭にも繋がる大量に存在する配置ポイント。
何をやるにも早い者勝ち、スタートプレイヤー至上主義と言う時代を経て、重要な汎用的アクションの取り合いはそのままに、中長期の戦略に関わるアクションは計画的に他プレイヤーとバッティングしないように棲み分けてね、と言う構成。
食事ノルマもさほど厳しくなく、何もかも苦しいプレイ感より、ある程度自由に行動できるように調整されている。
そのぶん拡大再生産が成功しノルマから解放された際のカタルシスは薄くなるものの、プレイヤーを選ぶ事も少なくなっている。

大量のコンポーネントと2人用にもかかわらずだだっぴろい共通および個人ボードからうかがえる通り要素も盛り盛り。
個人ボードだけでも干拓から泥炭の採掘、開墾から家畜の放牧、様々な効果のある小屋作り、仕事道具の作成から食料の備蓄、商品の作成、さらに後述する旅や資材の搬送に使う荷車の生産、駐留、治水作業とおなかいっぱいになる位の要素が詰め込まれている。

共通ボードが側も大量のアクションポイント、行商を兼ねて放浪できる旅、決算に向けての準備やワーカーの管理とこちらもわんこそばのように色々な要素が次から次へと出てくる。

しかしさすがのウヴェせんせぇ、これだけ要素が満載されているにもかかわらず、共通ボードのアクションを一通り把握すれば全体が1本の線ではっきり繋がるように、骨子はものすごくシンプルにまとめられているので豊富なアクションの種類の割にプレイ時になにをしていいのかさっぱりわからない迷子感はほとんど感じない。
リソースをコマの数ではなくマーカーで管理したり、得点トラッカーが個人ボードにつくなど、広い盤面でもプレイアビリティーが下がらない工夫もベテランらしい気配り。

しかも牛がかわいい

先に述べたとおりアクションに関しては相手が行ったアクションをコストを支払って実行できるものも存在して窮屈さよりはやりたいようにプレイさせるデザインになっておりとても爽やか。
思う存分自分の牧場とと周辺環境作りにいそしむ事ができる。

反面インタラクションは薄く、ソロ感が非常に強いので殴り合いの好きなユーザーには要素の多さもすこし冗長に感じるところがあるかもしれない。

ともあれ、小箱をさっとあけてあいた時間に遊ぶようなカードとちょっとしたチップ位といったゲームの多い二人用の中では異彩を放ち、二人でお茶を飲みながらゆったりと牧場を作って見せ合う、他では味わえないとても貴重なゲームなので機会があれば是非プレイしてみてほしい。
牛かわいいし

 

アルルの丘

4

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