約束の場所へ – マーダーミステリー / ネタバレ無し

レビューKei

デザイナー 張恆, Afong Lee
プレイ人数 6人のみ
プレイ時間 120分~150
対象年齢 15+

マーダーミステリーって?

耳慣れないこのジャンル、調べてみると2000年ごろにはアメリカ、2003年にはイギリスを中心にヨーロッパ圏でも遊ばれるようになっていた様子。
起源の話をするとうらやましい事に昔からアメリカではディナーゲームと呼ばれている食事とゲームを楽しむホームパーティーのようなものがあり、そのシナリオとして似たようなものがあったらしい。
有名どころではクニツィアのHollywood lives等がその系譜。

時を遷して2014年ごろ、この少し前からに中国の百度フォーラムで細々とプレイヤーを募集して英語翻訳シナリオをプレイしていたグループが注目されはじめ、中国発のシナリオが出回り始めた2015年から中国語圏で一躍ブームに。 これはリアルタイムな体験ではなく、あちこちの掲示板やらからの拾い読みなので時系列等に関して話半分くらいに思っていただきたい。

このマーダーミステリーの日本語シナリオが2019年に始動、晩春同時期に2本が発表される。うち一本が東中野ディアシュピールで定期公演、もう一本が台湾で制作され、日本語ローカライズで配布されたものが本作である。

マーダーミステリーそのものを掘り下げるのは本記事の意図するところではないので簡単に説明すると、プレイヤーはシナリオ上の登場人物となり、一つの事件現場に放り込まれる。

マーダーミステリーには大きく分けて二つ、シナリオの要所でプレイヤーの振る舞いが定められているクローズ型、役割と目的だけ与えられてあとは自由にふるまうオープン型があり、今作は後者のオープン型となっている。
そして放り込まれた現場で登場人物としてどう振る舞うかでそのメンバーならではの物語が紡がれていく。

どんなゲーム?

プレイヤーは同じ大学の学生が四人、大学の准教授が一人、事件現場所轄の警察官が一人、各プレイヤーにはゲーム開始時にこの中のうちの一人のプロフィール冊子が配布され、中には犯人か否か、 ゲーム通しての個人的目的と抱える秘密等が冊子として配布される。
被害者となった学生を殺害したのは誰か、事件をチャンスと変え抱えた目標を達成することはできるのか。
フリートーク形式でゲームを進行させ時間経過とともに場面が転換されていく。
指定通りの場面が経過するとゲームは終了し、犯人vs非殺害犯の大きな戦いと個人目標の達成状況でゲームの結末がかわっていく。

デジタルゲーマー向けに簡単に説明すると、キャラクターの背景と性格、犯人かどうかだけを渡されて多人数マルチで遊ぶ「かまいたちの夜」が近いのではないかと思う。

感想

ネタバレできないので写真も箱くらいしか・・

当然結末やら小道具やら進行を知ってしまうとゲームにならないので個人的感想とちょっとしたゲームプレイに関するTipsっぽいのを。

自分はゲームの進行を大きく左右するとても重要な役割だったにも関わらず、流されるようにプレイしてしまった。とても大きな反省。
全員ジャンル単位で初プレイなので仕方のない事ではあったのですが目的に対してもっと貪欲にプレイしていく必要があったかな、と思いました。
わりとぼんやりと情報を集めて、出てきた情報から適当な推理をして進めてしまった。
そのためにゲームが終了して個人目標が発表されてから、ああ、これこういうヒントだったんだね、もっとちゃんと調べなきゃダメだったーといった事が数点あった。 自分のゲームリードが全くなってなかったので自分が一番の戦犯になってしまったのでとにかくくやしい! もう少しやれることがあった!と後悔しまくりの申し訳なさ炸裂。 こんな思いをしないように、よくわからないでもわからないなりに全力で情報にぶつかる事をおすすめします。ふんわり場面転換させると割と取り返しがつきません。 あーもーほんとに悔しい。

Tips

このゲームに限った事ではない気がするけど、特にこのゲーム場合名札があると良い。
6人しか居ないにも関わらず姉妹で名前がそっくりなのでどっちがどっちやねん!!って演者本人ですらなりまくってました。なのでキャラ名、できればキャラ絵も印刷された名札があるとよかったな、と思います。

各フェーズの時間割は流動的に。 一応規定されているゲーム時間ですが、最初のキャラクター設定の冊子を読む時間も含めてメンバーの合意があれば多少の延長を認めたほうがゲームが成立しやすくなりそうです。
今回はねいじまさんの名GMによりこのような采配で遊べて本当によかったと思う。
特に最初のキャラ設定は読み込みが浅いとゲーム中に答えないとゲームの進行に差支えのある事、他人の持っている情報と矛盾する事が出てきてしまうので徹底的に読み込み役に入れるだけの時間をつぎ込むべきと思います。
他のフェーズでも自分がしたい会話内容や相手がふさがっていて、キャラクターとしてすべき会話ができずゲームの進行が停滞する可能性も。なので必要であれば各フェーズの延長を申し出て合意があれば多少の調整はあったほうが良いかと思います。 少なくともこのシナリオに関しては各フェーズの時間はゲームが面白くなるようベストまで絞って絞って調整した時間、という感じではないのでなおさら。

ゲーム終了後の検討会。ディナーゲームの名に恥じず、ご飯を食べながらの検討会なんかがめちゃめちゃ楽しい!
もうこれもプレイ時間に織り込んでおいて5時間くらいはがっつりと時間を取ったほうがいいと思います。 あの場面のあのセリフ、あれで完全に進行かわったよね!!とかお互いを讃えあうのもまた格別。

まとめると

新しいジャンルなのでプレイヤーが不慣れであったり、シナリオの品質そのものへの評価基準が持ちにくかったりとなかなかに難しいですが多人数対面ならではの面白さは斬新にして独特。
各員の思惑のから紡がれる物語と犯人vsその他の大きな戦い、ルールで規定されている犯人以外は嘘をついてはいけない点で人狼と大きく変わるプレイ感。
中国を中心に世界的にブームが広がってるのも納得です。
とにかく楽しいので人と場所が用意できるならやっとけ!って結論に。

Kei

できるだけ感覚そのままより言語化、体系化して伝えるレビューを心がけてます。

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