舞台は12世紀のローマ。自派の修道院を建て枢機卿を送り込み、ヨーロッパで最も影響力のある宗派になろう。
ミヒャエル・シャハトの傑作マジョリティゲーム。
プレイ人数:2~5人(BGGベスト3-4人)
プレイ時間:50分~60分
対象年齢:12歳~
デザイナー:Michael Schacht
アーティスト:Franz Vohwinkel
見た目がめちゃくちゃ好み。古めかしいボードからは重ゲーの風格を感じるが、やることは非常にシンプル。
シンプルで手番にはやりたいことがたくさんあるタイプ。
やりたいことがあるのに、相手の邪魔もしなきゃいけないから出来ない。
邪魔したらその間にやりたいことが出来なくなってる。
そのジレンマの中で自分の修道院をうまく繋げたり、枢機卿同士のマジョリティ争いに勝つ。
日本では2014年3月11日にゲームフィールドが日本語版を発売しており、それには拡張ルール:バチカンと二人対戦用と2面ボードがあるらしいです。ですが、私がプレイしたのはゴールドジーバー版のみとなっていますので、基本のみのレビューとなります。
さまざまなジレンマ
手番でやりたいこと
- 修道院を置いて、4つ以上並べたい
- 修道院を置いて、地域のマジョリティに勝ちたい
- 地域で勝たなくてもたくさん得点が入るようにしたい
- 枢機卿でマジョリティ争いに負けないようにしたい
これらを制すると得点がたっぷり入る。
修道院を4つ以上並べると1つにつき1点。バレないように(すぐバレるが)なるべく長くしていきたいところ。
地域のマジョリティ争いで勝つと、地域においてある修道院の合計数がそのまま点数になる。領土が広い。フランス万歳 !
修道院の得点方法が2位は1位の修道院の数(3位は2位の修道院数…以下略)となっているので、1位の修道院数4個、2位の修道院数1個の地域決算だと1位5点、2位4点でこれはこれでうまい。めちゃうま。少ない数で多く得点取れたらうまい。
枢機卿は最終得点決算時のみだが、決算場所で両方のマジョリティを取得していなければならない。そして、同数最多というルールは枢機卿の点数計算にすごく効いてくる。一人のプレイヤーの枢機卿は置ける数が少ない。他のプレイヤーとも協力(?)すればたくさん取れるように調整できる…だろう。
3枚の手札を操って得点を取れるようにうまく配置しよう!
最初はランダムに配布されるが補充する際は2枚の表にされたカードからも取れるため、ある程度コントロールできるようになっている。
欲しいのが無ければ祈りながら山札!
同じカードを持っているほうが強い。
なぜなら、同じカードを2枚出すなら好きな場所に置けるから。どうしようもないときはこれを出来るようにして置きたい。
この手札を使ってどう置けるかというと
- 1手番に配置できるのは2個
- 修道院が1個も配置されていない地域には1個まで配置できる
- 1手番には1箇所の地域のみに配置できる
- 枢機卿が置ける数は修道院が色別最多(その地域1位のプレイヤーの色の修道院の数だけ)まで配置できる
- カードは3枚までプレイできる。補充は3枚になるまで
となっている。
まず初めての地域に最初に置くのか置かないのか、置かないと始まらないけど最初におきたくは無いんだ。解るね?
どうしても最初に置くというのなら、4つ以上の道を目指せる場所に置く。ここを抑えておくととりやすい点がいくつかある。最初に配られたら手札次第ではあるけれど。
うーん、あんまり今までそこの運が悪かったこと無い気がする。多分。
自分がやりたい行動は相手もやりたい行動。
そこの「道」の点数取るんだったら、私はこっちでとりますわ。邪魔するなら仕返しします。--なんて、バッチバチのインタラクションが本当に楽しい。
盤面を見て、抜き出る人が出ないように、ジリジリと鬩ぎあうの良いよね?仲良くケンカしようぜ。
中間決算と最終決算
中間決算では枢機卿の決算がない。
なので、最初の山が尽きるまではほぼ修道院の置き合いとなるだろう。
道を塞き止めつつ、地域に修道院をどう置くのか。
道のボーナス目指せるなら置いちゃっても良いとは思うけれど、その分点数与えちゃうからと悩ましい。1点のために2点を渡すことになるのかも。
枢機卿は個人的にはその地域の最多修道院数(枢機卿が置ける数)が決まるまで、あんまり置きたくない。枢機卿は2箇所の地域でのマジョリティ争いで最多だった場合、その合計数が点数となるから。
置いて負けたら点数取られる上に自分の点数が入らない。それだけは絶対に避けたいところ。
私のオススメは同数最多になれるように修道院を配置(偶数)してwinwinな関係だということを強調しつつ、枢機卿を置くように仕向けること。
いや、だましてないよ?だって枢機卿のマジョリティ1箇所取れてるもんね。後は他の場所でどう枢機卿を置くかだよ。
こうやって協力関係におくことでいろんな箇所でマジョリティがとれて十数点取れる。ええな!
こうやってちょっとした協力関係が築けるのはマルチプレイならでは。私の好きなところ。協力ゲー(違)たのしー。
マジョリティの初めてにオススメ
何度か初めてプレイ!の人と遊ばせて貰って思ったけれど、誰かが点数で抜き出るのが難しいので、点数のバランス調整がしやすい。
ということ。
いや、初めてプレイの人相手に連勝してる人が何言ってるんだって感じだけどそこはそこ。ね!
なので、どっちかが抜き出たら牽制しつつ~と初めてでもいい感じにマジョリティ争いできるように誘導しやすい…と感じた。
手番に出来る行動は本当にシンプルだし、考えることは多いけど、手札以上のことは出来ないからダウンタイムも少ない。
プレイ時間も1時間かからず?早ければ30分程度といったところ。
悔しかったら、もう1回出来るし手札次第で展開も変わる。やはり良いゲームだと思います。
でもたいていイギリスが人気無いんだよなあ…。あそこは伸ばすの難しいよね。
2020年1月の「Iwari」もめちゃくちゃ楽しみです。遊んだらレビューします。
王と枢機卿
2 Comments on “王と枢機卿 / Kardinal und König”
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