14世紀のハンザ同盟の盟主の座を得るため、商船でバルト海を横断し貿易せよ!
デザイナー | Michael Schacht |
アーティスト | Michael Schacht |
プレイ人数 | 2~4人(BGG ベスト2) |
プレイ時間 | 60分 |
対象年齢 | 10歳~ |
ハンザ同盟でのボードゲームっていっぱいあるよね、その中でも「ズーロレット」や「コロレット」のミヒャエル・シャハト氏の「ハンザ」をレビュー。
ハンザ同盟の商人
ハンザ同盟(hansa)は中世後期の北ドイツの都市による都市同盟である。 バルト海沿岸地域の貿易を掌握し、ヨーロッパ北部の経済圏を支配した。
Wikipedia-ハンザ同盟より
私達はハンザ同盟の商人として、船を操作し、バルト海に面した都市国家で商売をしていく。具体的には商館を建てたり、商品を買ったり売ったり。
商品を買うのはどこでも出来るが、商館を建てないと売ることはできない。そして、その都市で一番多く商館を置いていれば、なんと商品がタダで手に入る!しかも他の人が買えばそのお金は自分に入ってくるから、これは都市でのマジョリティに勝つしかねぇ!と思うけれど、商館の数には限りがあって、建てまくってるとあっという間に手元の商館コマが無くなってしまう…。マジョリティで優位にはなれるがいろんな都市に商館をバラまいているとゲーム終了時に得点になるから…バランス良く商館を建ててくのが大事なんだ!
でもやっぱりその都市一番は譲れないかな…?うん?ちょっと待ってくれ、どっちが良いんだ!って感じの悩ましさが最高に良い。
商館は建てたら終わりではなく、商品を売ることで1つ減る。商館が無いと商品は売れないので一定数は置かないとその都市の自分の商館がすぐ無くなる。減るの嫌!って思うかもしれないけど、戻ってくるのはこのときだけなので使いすぎたらこれで補充するしか無い(補充というのかは謎)。
そんな感じで限りある商館を建てたり、手元に戻したりする。
商品には何色かあって、描いてある樽の数が得点。同じ色が2個以上だと売れる。1個の商館で2個以上の色のものがあればいくつでも売れる。一気に売りたい…ところだけれど、手番終了時には3個までしか商品を持てないので、一気に売るとなると、その手番でいっぱい仕入れていっぱい売る!という形でしか売れないんだよね。
そうして商品を販売すると「需要が満たされた」ということで、他のプレイヤーはその色の商品を1個捨てなきゃならない。樽3つのやつを捨てさせられたら美味しいねえ…でも公開情報だから警戒されちゃってあんまり捨てさせることって出来ないんだけどね。ちえっ。自分の手番の時は周りをよく見て、計画的に売らないとせっかく1ターラー(お金の単位)で買った商品を捨てる羽目になるから油断は禁物だ。
どうしても売れない!でもこのまま手番を終えると捨てなきゃいけなくなるかも…。ってときは商品タイルを1枚使って商館を建てる。この方法でいろんな都市に商館を建ててく。建てる数は商品に書いてあるタルの数。あーこれは早急になくさないと捨てさせられますわーやばみですわーと思ったら即商館を建てよう、手元に商館コマがあればだけど。無ければ置けない、世知辛いのだ。
お金はたくさんあるとそれだけ行動が出来る、良きもの。船を動かしたり、商品を買ったり。自分の手番の最初に3ターラー(ターラーはお金の単位)は必ず貰える。しかし手番の最後には3ターラーしか残せないので、3ターラーより多く持っているのなら使ったほうが良いやつ。お金は大事。その都市で行動できる回数は1回だけなので、もう1度同じ都市で行動するためには船を動かしてまたその都市に来る必要がある。船を動かすには必ずお金が必要だからここぞというときに手元にたくさん残しておきたい。自力で蓄えられるのは6ターラー、他の人から商品代としてお金を頂くには商館のマジョリティが必要で…と、お金の使い道もマジョリティの取り合いもうわーん、めちゃくちゃ悩む~。
そして商品の補充。最初に銀行から3ターラーを受け取ったあとにこの選択をする。商品の補充はこのときだけ。1ターラーですべての都市に商品を補充をする、必ず全部の都市で補充をする。補充が無いと買われた場所の商品はずっと無いまま。1ターラーを支払う必要があるから、(他の人にやってほしい…)と思ってしまうね!(そして何も変えないまま終わったり)
そうそう、船を動かす方向も決まっていて、往復させることが容易じゃない。端っこのほうは一方通行だったりして、なかなか戻ってこれない。なので商品が無い都市でかつ一方向にしか行けない場所で終了すると相手の手番の最初は移動(-1ターラー)か補充(-1ターラー)か。そんな苦しい選択へ嵌めれるのが楽しい。めっちゃニコニコしちゃうね!
あ、船コマは共通で使うものなので最後に置いた場所から次のプレイヤーは出発することになる。だからそういう嵌め方ができるんだな!
とまあ、そんなこんなで、時には補充したり相手に1ターラー渡したりして、都都市では商館の争いをしつつ、またはしてるのを横目に眺めていろんな都市に商館をバラまきつつ~とそれを邪魔して遊びつつ、商品を売って得点を地道に稼いでいく。商品を売りたい、けれど邪魔しないと相手に高得点が…!うわぁーーー!やるしかないいのかああ!!!というのが、もう、…あー、楽しいですねえ。
まとめ
- アーティストもシャハト氏なの!今回初めて気が付きました
- 船の一方通行で相手を嵌めれたら楽しい!
- マジョリティ勝ちで商品がタダで嬉しい!!
- マジョリティ負けで1ターラー渡すの…悔しい!
- 自分の得か相手の損か。性格の表れる選択肢
「Hansa」はグラフィックもMichael Schachtになっている。デザインもアートも一緒ってなんか貴重。
1つ1つの要素が悩ましすぎて、ルールをほぼ説明しちゃうくらいすべての動きにジレンマがある。めちゃくちゃ楽しい。
最初の商品タイルを並べるのがちょっと面倒くさい。商品タイルを人数に合わせて分けて裏面にしてシャッフルして均等に5つの山に分けて~というのは最初にみんなに頼むと楽かも。
はじめてシャハト作品を遊ぶなら「コロレット」や「王と枢機卿」「ズーロレット」がオススメだが、シャハトの作品好きだな~ってなってきた人には「パトリツィア」やこの作品をオススメしたい。
ハンザ / HANSA