ツィクスト / TwixT

レビューKei


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5
On 2021年4月8日
Last modified:2021年4月8日

Summary:

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デザイナー :Alex Randolph
プレイ人数 : 2または4人
プレイ時間 : 30~40分
対象年齢 : 10歳~

作者はゲームデザイナーの父、アレックス・ランドルフ氏
ガイスターやハゲタカのえじき、僕の好きなCODE777やそれだっ!と名作を幾つも生み出している氏が日本滞在中に囲碁から着想を得たツィクストを紹介。

どんなゲーム?

ルールはしごく単純、囲碁の升目のかわりに穴があいたボードにピンを刺し、桂馬飛びの位置にピンを刺せたらピンとピンを繋ぎ、これをリンクと呼ぶ。
リンクを盤面の端から端まで繋いだら勝ちと言うものすごくシンプルなルールだ。

このシンプルなルールが桂馬飛びでしか繋がらないと言う1点だけのアイディアでミス多発、シンプルさからくるかなりの手番数までの読みやすさと読みあいの苛烈さとガチガチになりやすい完全情報ゲームが嘘みたいな逆転ドラマの生まれるデザインになっている。
流石のランドルフ様、しびれる!

歴史やらなにやらちょっとだけ

初期3M版と色々な改良のなされたGP日本語版

どうも誕生の正確な日時はわかっておらず、1960年頃に発売されたという感じでボードゲームの中では相当に歴史が古い。 BGG表記は1962年になっており、これは広く頒布された3M版の発売年のようだ。 筆者はこのバージョンを購入してはじめてこのゲームに触れた。 その後幾度かのリメイクやパブリッシャーの変更を経て、ランドルフ氏の没後に親族の方の他にも配布に関する権利を持ってる方がいたようで整理しきれず長らく販売されていなかった。 これに2018年ごろから権利を無視してリメイク版が発売されて色々と議論になっていたところ、我らが日本でカタンを中心に販売しているGPさんが綺麗に権利関係を整理して、2020年なんと日本語版を販売して下さった。 ややこしいハードルをクリアして手軽に名作を遊べる環境を作ってくださって大感謝である。

このバージョンはチーム戦の2VS2 4人用ルールや、バランス調整された手番の決定方法等最初期から少しずつ正式に加えられたルールや改良が全て入っていて、ピンの色も赤黒からぱっと見で判断しやすい白黒に変更された超おすすめバージョンとなっている。
またピンは下が太くなっていて上下がわかりやすくなっていたりピンとブリッジを入れる場所がボードの端に追加されていたりと、色々な面で旧バージョンより遊びやすくなっている。
これだけ気を使ってしっかり作られた商品が実売3000円しない程度で入手できるのは相当にすごい事だと思う。

色々な人と遊んでの悲喜こもごもな感想

ゲームのルールや概要はMizukiさんが詳しく描いてくれた ので割愛。

先に書いた通り、完全情報ゲームの中ではかなり先の手番まで見通しやすい部類に入る。 と、言ってもそれは局所的な話。 このゲームは現在ピンの打ってある場所や布石になる場所での局所的なやりあいと、将来を見越したり戦場を変えて相手の目線を変える大局的な打ち方の二つの戦い方がある。たぶん。

局所戦ではお互いの先の手番の苛烈な読みあいが楽しめ(苦しいが)、大局的に広い場所に戦場を遷すとなにがなにやらわからないほど展開が多様になりミスを誘発したり墓穴を掘ったりが起きる。 この事で完全情報公開ゲームのヒリヒリした泣きそうになる苦しさと、その場のノリや運で展開の変わっていく少し緩い感覚の両方が楽しめる。 この点、ガチガチのゲームに比べてかなり遊びやすくなってるんじゃないかと思う。

とは言えやっぱり完全情報公開、局所的には見通しが良い、でもミスをしやすい。 そして1手番が強烈に重くビハインドを喫すると相手のミスが無いとなかなか追いつきがたい。 この点からミスできない、したくないと言う緊張感は相当なもので結構な人数のゲーマーの方々に遊んで頂き、中にはヒリヒリしすぎてもう勘弁してほしいとギブアップ宣言をする人もいた。

個人的に大好きなゲームなので苦しさを苦痛に感じないのだけなのかもしれないが、オセロよりは緩く遊べるんじゃないかと思っていたのでゲーマーで泣きを入れる人がいたのは意外だった。そういった本気で遊べるキツい面があるゲームであると言う事もお伝えしておく。

これも楽しい!! チーム戦!

よくあるテーブルにX状に座った対面がチームになって時計回りに手番を行い、各チームが1手1手交互に打つ感じに遊ぶ。 これがまた自分の思った手を追従してもらえない事があるのは容易に想像できたのだが、味方が予想外のとんでもない場所に大局的にピンをうったりして、その一手がなかなかキーになる手だったりしてとても勉強になって面白い。

先述のとおり1ミスが命取りになりがちなゲームなので「自分のせいで負けた!」って言う感じが苦手な人はちょっとつらそうだったのはお伝えしておく。

が、基本的にはお互い味方の追従ができなかったり勝手に違うとこで勝負はじめたりで1vs1よりは大分ゆるくワイワイ遊べるのでこれはこれで楽しかった。

味方を罵ったり相手を煽ったりできるメンツで遊ぶとより殺伐として楽しいかもしれない(クズ)

入手性

このゲームはなかなか再販されず、権利関係がよくわからない非公式っぽいものに手を出すか、弾数の少ない数十年前の中古を掘り当てるかしかなかったものが、かなりお手頃な価格でしかも日本語マニュアル付きで購入できるようになった。
価格は最近平均価格が上がってきたボードゲームの中ではかなりお手頃な部類

ルール自体は単純で、恐らく将棋やチェス、囲碁を遊べる年齢ならこのゲームは余裕で遊べると思うので大人は勿論、お子さんと遊ぶのにも良いと思う。

ツィクスト / TwixT

5

One Comment on “ツィクスト / TwixT”

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