贋作画家ベルラッティが混ぜてきた絵画カードに惑わされることなく、画家プレイヤーがテーマに沿って出した(はずの)カードを当ててみせる、協力型の連想ゲーム『ベルラッティ』で遊んだ。
旧版のときからずっと気になっていたゲームだったし、ベルラッティはよいゲームだよ~、という話をいたるところで聞かれされていたこともあって、今回、遊べて、非常にありがたかった。
プレイヤーはまず、美術館員役と画家役に分かれる(役はラウンドごとに移動していく)。
ランダムに引かれた2枚のカードが「お題」として場に置かれるので、画家役のプレイヤーが、それに見合ったカードを手札から裏向きに出していき、美術館員役のプレイヤーが、その出されたカードを推理して当てていく、というのがゲームの基本だ。
美術館員プレイヤーは、画家プレイヤー側に、描いてもらうための絵画の枚数を指定する役割になる。つまり、「お題」に沿ったカードを何枚出してもらうかを、決める形だ。お題をじっくり眺め、うーん、この題材なら似たカードもけっこうあるんじゃないかと思うし、出しやすそうな気がするので、今回はまあ、6枚くらいいけるっしょ、と画家プレイヤーに求める役。
画家プレイヤーは、美術館員プレイヤーから来た依頼の枚数、絵を描く。つまり、「お題」に合いそうなカードを、手札から、裏向きに出す形となる。いやいやいや6枚とかむちゃくちゃ言うじゃん、と嘆きながら、なんとか、ひねりまくったこじつけを押し通せないか攻める役。
「お題」と関連づけられるであろう、連想がつながってくれるであろう、きっとテーマに合っているであろう、と思えるカードを、なんとかひねり出す。
「うーん、ブレスレットか、さすがにこのグローブは関係ないかな?宝石っぽいものほかにもあるし、こっちがたぶん画家の出したやつだろう……、いや、しかし、装備品というか、身につけるもの、という広い連想もアリなのかな?」みたいな謎の関連性を、美術館員役も画家役も、模索していくこととなる。
要するに、「お題」に沿って画家プレイヤーが出したカードを、美術館員プレイヤーが、推理しながら当てる、というシンプルなゲームではあるのだけど、ここで邪魔をしてくるのが、作品タイトルでもある「贋作画家ベルラッティ」というわけだ。
といっても、システム的には別にそんな大袈裟なものではなく、単に、ランダムに引いたカード4枚が画家プレイヤーの出したカードの中に混ざってくる、というだけなのだけど、このランダム式の贋作が、ほんとうによい仕事をする。このゲームのキモだ。
「お題がスプーンのときに、画家プレイヤーがあんなに自信満々な顔で出してきたカードが混ざってるはずなんだから、このフォークが絶対それでしょ!これがベルラッティの贋作のわけない!そんな奇跡、そうそう起こるわけないよ!」って言い張った選択が、ほんとうに悪意みたいに覆されることのあるゲーム。そして、めっちゃ笑わされるゲームである。
これくらい気軽に遊べるイラスト系の連想系ゲームって意外と見かけないし、そういう意味でも、意外と並び立つもののない良作だと思う。非常によかった。
贋作画家ベルラッティ
One Comment on “贋作画家ベルラッティ”
Pingback: スパイジョブvs贋作画家ベルラッティ | 今日も駄目ダイス